JUNOTA

<<雪の栃久保>>

太田潤 2023-94
紙、アクリル絵の具 210×148 2023-01-29
暮らしの実景 14 / 159

ある日

 今日はたしか人と会う約束がある日だ。そんなことをぼんやりと考えながら枕元で鳴っている携帯のアラームを止めた。そのまま電話を1 本かける。午前中に、ということだけは聞いていたのだけれど、はっきり何時とは決めていなかったからだ。もっと早い時間からなんじゃないかと身構えていたのだけれど、10 時に集合ということになったのでほっとする。朝はゆっくりご飯を食べた。おとといの晩から毎食食べている鍋だ。それと納豆。コーヒーを飲んで携帯をいじっていたら、あっという間に家を出る時間になった。
 今日のお散歩はお休みして車でビジターに向かう。ゆず組合の関係で何か地域の広報誌にインタビューと写真の撮影をした。笠置町に移住してくることになった経緯とか、ゆず組合で働くことになったきっかけ、ゆず組合で今後やっていきたいこと(!)などをいろいろ話した。ひと通り話をした後で、ゆず畑に行って写真を撮った。レフ板が眩しかった。高枝鋏でゆずを収穫する様子を撮りたいという話だったけれど、ちょうどいい位置にゆずの実がなかったので、結局、高いところにある実を収穫している「フリ」をした。ゆずを手に持ち、Mと並んで写真を撮った時、カメラの人にさわやかな笑顔だと言われた。Mの分析によれば僕は上唇がほとんどなくて歯並びが良いからさわやかという印象になるらしい。僕は被写体を笑わせるためのお決まりのセリフなんじゃないかなと思っている。ゆずの木4本の管理を任された。これから月に1回くらいは見に行くことにしようかなと思う。それらのことを終えて帰宅したのは12:30 くらいだった。例の鍋は通算6食でなんとか完食することができた。
 食後に少しだけゆっくりしてから、お隣さん家の庭木の剪定をしに行った。けっこう前に頼まれていたのだけれど、なんだかんだと忙しかったのでなかなか行けずにいた。天気が良くてポカポカしていたので、今日行ってしまうことにした。先月から今月にかけてこまごまと誰かに何かを頼まれていたのだけれど、この剪定を終えてしまえば、今月はもうほとんど何も用事がない状態になる。つまり、絵を描いたり文章を書いたりに集中できる!お隣さん家の庭木の剪定、実は前回まではMと二人で行っていたのだけれど、今回Mは行きたくないと言って来なかった。それは、前回の剪定の時にMが主に切った木がそのすぐ後にぱたんと倒れてしまったのを自分のせいだと思っているからのようだった。僕はM が剪定したことと木が倒れたこととは無関係だと思っているのだけれど......。それから、もう一つ。なんでそうなったのか全く分からないのだけれど、M が剪定していたまた別の一本がローマ字の”U” の形になってしまったのを気にしているらしい。お隣のおじいさんは全く気にしていないみたいだったので、別にそんなに気にする必要はないんじゃないかと思うのだけれど、気が進まないようだったので、しょうがなく今回は僕ひとりで行くことになった。