JUNOTA

<<本のある場所>>

太田潤 2022-180
紙、アクリルガッシュ 192×272 2022-04-29
暮らしの実景 15 / 159

 おじいさんは家にいないみたいだった。チャイムを鳴らしても返事はなく、声をかけても応答がない。まぁ、いつもの通りにやってしまってよいだろうと倉庫から剪定鋏と脚立を借りて作業を始めた。1時間半くらい作業して、もうすぐ終わりそうかなというときに1台の車がやってきて家の前に停まった。娘さんに車で市街に連れて行ってもらって、この冬に着るぬくたい服を調達してきたそうだ。こんな感じでどうですか?と聞くと松の木と椿をもう少し低くしたいと言われた。とりあえず椿を30センチくらい低くしてみた。こっちは特に問題なくできた(と思う)。けれど、問題は松の木の方で、思い切って切ってしまって、と言われたので思い切って切ってみたら、全体のバランスがおかしくなった。あれれ、と思ってこっちをもう少し、あっちをもう少し――なんてことをしているうちに「かなり」思い切った高さになってしまった。最終的には、まぁ、バランスはよくなった(と思う)。作業で出たごみを熊手と竹ぼうきでかき集めて作業終了。
 僕の作業が終了したのとほとんど同じくらいのタイミングでMから連絡があった。MはMで今シーズンのゆずの買い取り量の計算の仕事をしているのだった。お互い3時半ごろまでに仕事を終わらせて、そのあと庭文庫に遊びにいこうと話していたのだった。
 LINEを開くと「終わらなかった」とのメッセージが入っていたので「もう帰っておいで」と
返信した。Mが帰って来たので庭文庫まで車を走らせた。僕ら二人は月曜日の夜の、人の少ない庭文庫が好きだ。しばらく忙しかったのでだいぶ久しぶりの庭文庫だ。
 今日は神田ブレンドを飲もうと思いながら坂道をのぼる。空気が冷たい。ガラガラと戸を開けて声をかける。夫さんが誰かとお話ししていた。土間の本棚に並んだ本たちを眺める。意外とこの本棚の本たちをじっくりと眺めてなかったような気がする。そこからMは1冊本を抜き出した。カフカに関係する本らしい。そのあとMさんが選んだジブリに関係する本のコーナーを眺めた。昨日の夜に読んだMさんの文章がなんとなく、じーんと心に残っている。そうこうしていると、Tちゃんを連れたMさんがガラガラと戸を開けて入ってきた。こども園に迎え行っていたようだった。ほんの数か月見ていないだけなのにかなり大きくなっていた。コーヒーを注文して本を選んだ。前々から気になっていた”MONKEY” のポール・オースター特集にしようかなと思っていたのだけれど、1750円とちょっと高かったので、そのそばにあった同じくポール・オースターの「リヴァイアサン」の文庫本にすることにした。こちらは150 円。MはTちゃんと遊んでいるらしかった。
 本を選んでいたらどんどん体が冷えていくのが分かったので、僕もその本を手に、そちらへ行って、ストーブに当たらせてもらうことにした。僕が近づいていくと、Tちゃんがちょっと警戒しているみ